印度武術王国

サンガム印度武術研究所が、いまだ知られざるインド武術について紹介します。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

カリンガの栄光:パイカ・アカーラ(Paika Akhada)

パイカとはオリッサ州のブヴァネシュワール、クールダ、プーリーを中心にいにしえのカリンガ地方で発達した武術、あるいは戦士集団。 パイカの語はサンスクリット語の「歩兵」に由来し、アカーラは道場を意味する。王の支配下に、平時は治安維持を兼務する農…

インドの男塾 クシュティ(Kushti)

クシュティとは、一般にインド伝統レスリングといわれるものの総称。四角く掘り込まれたピットに川砂を敷き詰めた中で、あるいは川砂を四角く盛った土俵の上で行われる。 インド亜大陸に古来より伝わる戦士の格闘技マラ・ユッダ(Malla Yuddha)に、中世以降…

タミルの伝統棒術シランバム(Silambam)

シランバム(タミル語 சிலம்பம்)はタミルナードゥ州に伝わる伝統棒術だ。 民間の口伝によれば、数千年以前の古代に聖者アガスティアが瞑想の深みにおいて体得した医学と武術をその起源とすると言われるが、確たる証拠はない。 その歴史はおそらく、ドラヴィ…

インド棒術の回転技エクササイズ『バーラティア』

インド棒術の回転技と、その歴史的背景 今回は、インド棒術の中でも私が専門とする「回転技」について紹介しようと思う。 この回転技、各人の身長より若干短いくらいの棒を、その長さの中心でつかんでひたすら回転させていくという極めてシンプルなテクニッ…

ダルマ禅師の武術

日本武術の源流としてのインド武術 伝説によると、中国の少林寺で禅の開祖となったボーディ・ダルマ(達磨大師)は、現タミルナードゥ州のカンチープラム出身の王族とされ、彼が南インドで学んだタミル武術(カラリパヤットの源流)を禅と共に中国に伝え、そ…

はじめに

サンガム印度武術研究所のサイト『印度武術王国』を訪問していただき、ありがとうございます。管理人のSatoru Teshgauraです。 カリカット市イーストヒルのCVNカラリ道場 サンガムは武術稽古を通じた草の根の国際文化交流の促進を目的とした非営利活動を行っ…

ケララの伝統武術:カラリパヤット(Kalaripayattu)

カラリパヤットはケララに古くから伝わる伝統武術だ。 日本では古くは80年代アリナミンのテレビCMで「いやはや、鳥人だ!」というキャッチコピーが話題になった3mのハイジャンプ・キックを行ったのがカラリパヤットの達人であった。 1985年CM 武田薬品工業 …