印度武術王国

サンガム印度武術研究所が、いまだ知られざるインド武術について紹介します。

ダヌルヴェーダの遺産:ヴャヤム(Vyayam)

ヴャヤム、それは北インドのリシュケシュに伝わる武術的エクササイズだ。筆者は未だ実見してはおらず、不明な点が多い。

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ヴャヤムを紹介するDVD

ヴャヤムという言葉自体は身体を曲げ伸ばすエクササイズを意味する一般的なインド語に由来する。例えば伝統レスリングのクシュティ道場はしばしば『ヴャヤム・シャラー(エクササイズの館)』と呼ばれるので混乱し易い。

下のビデオはヴャヤム実習者のスペイン人グループ(日本人のサトミさんを含む)が、ケララカラリパヤットの修行をした時に演じたものをグルッカルが撮影して、それを託された私がYoutubeにアップしたものだ。

その為、彼らはカラリのコスチュームをまとっているが、これは正式なものではない。

スペイン人修行者によって継承されているヴャヤム

その特徴的な動きは武の聖典ダヌヴェーダにおけるスターナ(基本姿勢とその鍛錬ムーブメント)に由来すると思われる。

不動明王や仁王など戦う仏像群のポーズとも重なる部分が多く、独特の呼吸法にはヨーガのプラーナヤーマの明らかな影響が見られ、どうやらダヌヴェーダの伝統と密教(タントラ仏教)とヨーガから生まれたハイブリッドの様だ。

また、極端に低い姿勢はカラリのメイパヤットや相撲の四股を連想させ興味深い。

実際に私が見た中部スタイル道場のカラリパヤットは独特の呼吸法や手の動きを伴い、ヴャヤムと非常に似かよった印象を受けた。

中部スタイルのカラリパヤット(上) 

Vyayam.orgの公式ビデオ。黒一式が正式な衣装の様だ

ヴャヤムは現在ではほぼリシュケシュにのみ残存している貴重な伝統となっている様だが、呼吸法を伴った全身運動として、太極拳に勝るとも劣らない潜在的な魅力を秘めていると筆者はみている。機会を見て引き続き取材とプロモーションを続けていきたい。

ネット上での情報はVyayam.orgを参照。リシュケシュで修行したJavier Plazas師を中心とした道場がスペインにあり、そこでは日本人のサトミさんも師範として活躍している。毎年冬、リシュケシュでワーク・ショップを開いているようだ。詳細は英語のメールで問い合わせを。 

 

 

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